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ここまで変わる! 外壁塗装の寿命をのばす「劣化補修」について

2022.1.16

今回は、外壁塗装工事に欠かせない「劣化補修」の工程について紹介します。

 

外壁にヒビ割れ、欠けなどの劣化がある場合は、塗装前に劣化箇所を補修する必要があります。

 

劣化補修は、仕上がり時の見た目を大きく左右するだけでなく、塗料がもつ機能を十分に発揮させるため欠かせない工程です。

 

劣化補修の工程では、劣化箇所の素材や劣化の度合いに合わせて、塗装面の凸凹やヒビ割れ(クラック)、欠損などを補修していきます。

 

この記事では、それぞれの劣化状態に対応した補修ついて、実際の施工事例を参考にご紹介します。

 

 

【下地補修は、外壁塗装を長持ちさせるために欠かせない工程】

塗装工事を行うとき、一般的には、塗装箇所の水洗い→劣化補修→下地調整→下塗り→中塗り→上塗りの順で工程が進みます。

 

劣化補修の工程では、塗装箇所のヒビ割れの補修のほか、サイディングなどの目地の修繕を行います。

 

塗装工事に際して、劣化した箇所の上から塗装してしまうと、塗膜がすぐに剥がれたり、仕上がりが不均一になったりして、せっかくの塗料が本来の機能を発揮することができません。

 

外壁塗装の寿命は、劣化補修に大きく左右されるといえます。

 

塗料のもつ機能について、詳しくは「外壁塗装がはじめての方へ」でご紹介しています。これから外壁塗装・屋根塗装を検討されている方は、ぜひご確認ください。

 

「外壁塗装がはじめての方へ」は、こちらのページです

 

 

 

【外壁の凸凹は、パテを使って平らに補修】

まずはじめに、店舗入口のアプローチの補修・塗装をおこなった事例を紹介します。

 

こちらの事例では、劣化箇所の切り替えと、パテによる切り替え部分の補修を行いました。

 

切り替えによりできてしまったボードの継ぎ目やビス穴を、パテで埋めていきます。

職人の手によるパテの施工で、凸凹が平らになりました。

 

パテによる補修後、プライマー処理を経て塗装を行い、塗装工事は完了です。

補修にパテを用いたことで、表面の凹凸がなくなり、継ぎ目が目立たなくなりました。

 

継ぎ目やネジ、くぎなどの穴は、構造上どうしても耐久性が落ちる箇所です。

塗装工事により外壁表面を保護しても、耐久性が低い箇所があると、一箇所に生じた劣化が、外壁内部へと広がってしまいます。

 

劣化しやすい箇所は、あらかじめパテや塗装によりしっかり保護しておく必要があります。

 

 

【外壁の深いクラックは、Vカット処理で補修】

Vカット処理は、外壁のヒビ割れの補修に用いる工法です。

外壁に発生したヒビ割れは「クラック」とよばれ、外壁内部への浸水の原因になります。

 

クラックの原因は、純粋な経年劣化や乾燥による建材の収縮のほか、建物に地震などの外力が働いたりすることで、クラックは鉄筋コンクリート、モルタル、サイディング(窯業系)、いずれの種類の外壁にも発生します。

 

クラックからの浸水は、雨漏りや室内のカビの発生につながるため、クラックを見つけたら、放置せず適切な方法で補修します。

 

Vカット工法による補修は、次の手順で行われます。

1. クラック周辺を削る
2. 削った箇所をプライマー処理する
3. 削った箇所をコーキングで補填する
4. 塗装

 

どの方法でクラックの補修を行うかは、クラックの深さや工期などの条件から、総合的に判断していきます。

Vカット処理での施行について、実際の事例をご紹介します。

 

【1.  クラック周辺を削る】

Vカット処理では、クラック周辺をV字形に削り、削った箇所をコーキング剤で補填して、劣化を補修します。

 

外壁の素材やクラックの深さにより、Vカット処理が適している場合とそうでない場合があります。
例えば、塗装表面だけに発生しているクラックには、Vカット処理は必要ありません。

Vカット処理が必要なのは、外壁が内部までヒビ割れている状態のクラックです。

 

V字形にクラックを削るのは、補填材であるコーキングと、補修するクラックとが接する面積を増やすためです。

 

クラックは、建材の収縮や外力の働きによるダメージで、外壁そのものが劣化している状態です。
劣化している外壁に対し、表面だけを塗装しても、劣化の根本的な解決にはなりません。

 

外壁内部までヒビ割れが進んでいる場合は、Vカット処理により補修箇所の表面積を増やし、劣化を「面」で補修することで、クラックの広がりを抑えます。

 

 

【2. 削った箇所をプライマー処理する】

Vカット処理を施した後、プライマーを塗布します。

Vカット処理で削った箇所は、このあと補填剤のコーキングによる補修を行います。
プライマーには、コーキングと補修箇所との接着を高める役割があります。

 

クラック周辺を削り、コーキングで補填する補修の手法に、Vカット処理のほかUカット処理があります。
Vカット処理では、断面がV字型になるよう補修箇所を削りますが、Uカット処理では、断面がU字形になるよう補修箇所を削っていきます。

 

Uカット処理は、Vカット処理よりコーキング剤と外壁との接触面積が広いことから、補修の強度が増しますが、Vカット処理よりも施工のコストが増加します。

 

どの方法でクラックの補修を行うかは、クラックの深さや工期などの条件から、総合的に判断していきます。

 

【3. 削った箇所をコーキングで補修する】

プライマー処理を施した箇所を、コーキングで埋めていきます。

 

深いクラックや外壁の欠損など、コーキングだけでは欠損箇所が埋められない場合は、コーキングのほかにモルタルを用います。

 

モルタルを用いた劣化補修については、次の事例でご紹介します。

 

【4. 塗装】

補修後は、周りの箇所に合わせた色で塗装を行います。

こちらの事例では、Vカット処理による劣化補修で、外壁に発生したクラックをきれいに補修することができました。

 

 

【外壁の欠損箇所は、左官工事で劣化補修】

ヒビ割れの拡大やモルタルの劣化、鉄骨の腐食でコンクリートの爆裂が起きてしまった場合などは、外壁の一部が大きく欠損することがあります。

 

この場合は、コーキング剤のみでの補修ができないため、左官工事による下地補修を行います。

 

欠損箇所の洗浄後、プライマーを施し、モルタルでもとの形に形成していきます。

モルタルの乾燥後は、通常の外壁塗装と同じように、下塗り→中塗り→上塗りの三度塗りを行います。

 

今回は、塗装前の工程である「劣化補修」についてご紹介しました。

適切な下地補修で、劣化や損傷のある外壁も、見た目、機能ともに回復させることができます。

 

一方、外壁の損傷が大きければ大きいほど、補修にかかる工程が増え、外壁塗装工事全体のコストも高くなる傾向にあります。

そのため、外壁や屋根などの塗装は、劣化が小さいうちの適切なメンテナンスをおすすめしています。

 

例えば、ご自宅の外壁や屋根に「こんな症状には要注意」のお手入れのサインであるチョーキング、塗装の剥がれ、コケ・カビ・藻の発生などがある場合は、早めに外壁塗装・屋根塗装工事の実施について検討が必要です。

 

【 こんな症状には要注意】は、こちらのページです】

 

 

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